里芋は万葉集にもその名前が詠まれ、当時は「上古(うも)」または「いへついも」などと呼ばれていました。

ちなみに万葉集とは「現存最古の歌集」であり、古くは古墳時代から、奈良時代までを股に掛けたなんと、350年間(!)の、あらゆる類いの歌を集めたという歌集のことです。
_N0A1611_1「防人の歌」や「東歌(あづまうた)」など、詠まれた歌がまた天皇、貴族に下級官人に至るまで、とにかく様々な身分の人間が詠んだ歌集なので、歴史的資料としての価値も高く、編纂したのは貴族で歌人の大伴家持(おおとものやかもち)だとか。
日本で「芋」といえば、大きく2種類に分かれて「山で採れるモノは、山芋」で、「里で採れるから里芋」らしい。
日本の里芋は、亜熱帯のタロイモ類の中でも最北端で栽培、サトイモ属はサトイモ科の植物になります。
原産地はもちろん熱帯アジアからインドにかけてで、日本には縄文時代には伝わったとも。

この里芋、初めに到来したのが「青茎系のサトイモ」で、室町時代「赤茎系のサトイモ」が伝来しました。

子芋をたくさんつける種類が里芋の8割を占め、他に「京芋」と呼ばれるような親芋が肥大して子芋はほとんどつけない系統と、「八つ頭」の如く、子芋が分球せずにゴツゴツとした塊状に育つモノと、形状としては大きく3種類に分かれるそう。「八つ頭」はまた伝来もずっと遅く、十三代・家斉将軍の時代以降から、ようやく記録に出て来たとあります。

_N0A1472_1芋の部分を食べる他にも、茎の部分「芋茎(ずいき)」を食用にする他、もっと前の時代には、葉の部分も利用していたようで、桃山時代の献立書には、子芋を「酒宴の後で出される、お濃い茶用の茶菓子」として使用したとも。
江戸時代の料理書には「漬け物にした」との記載もあり、親芋・子芋はもちろん、芋茎は吸い物の身や和え物、刺身のつまなどに利用され、ハスイモ(青茎系)は特に、鱠(なます)の添え物や刺身のつまに珍重されたとか。

亜熱帯の植物ゆえ、日本の気候では花までは咲きますが、実にはなりません。
芋類ゆえに、根っこから増えてはいきますが、サトイモは一年草です。
栽培までは出来ても、日本の風土にあうような品種改良までは出来ないのだそうです。

旧暦では、7月が初秋で8月が中秋、そして晩秋が9月になります。 名月を楽しむ趣向は、平安時代に中国から伝来とありますが、日本ではもっと古くから楽しまれていたようです。

旧暦の8月15日(中秋の名月)「芋名月」と呼ぶ地方は少なくないし、里芋や枝豆などを供えます。 ・・・日本では、古くからの年中行事は先祖崇敬からなるものが多く、自分達の先祖時代の食生活を象徴するものや、つながりの深い食べ物を供えたり、食べたりする傾向があるそうです。

この芋名月では七夕の如く、笹竹の先に里芋などを籠などに入れて吊るし供えますが、この笹竹にもまた意味があります。
s-jugoya029「厄払いや悪霊除けのパワー」があると信じられていますが事実、笹には強力な殺菌作用もあります。
今でも満月に団子を供えたりしますが、江戸末期の書物には、団子の形は丸ではなくって、子芋に似せて作るのが習わしだったとか。

これに対して秋刀魚はどうだったかというと、秋刀魚を対象とする漁業は外国にはないと資料にあります。
しかもそのサンマ漁、三代将軍家光の終りから紀伊で発祥し、同じような漁法が安房(千葉県)にも起こって江戸時代の中期以降になってようやく、庶民の間でも食べられるようになりました。

・・・それまでの秋刀魚は、食用ではなくて「魚油を採るためだけの魚」

江戸の世ではもちろん、電気はありません。
なので暗くなったら行灯を点けますが、菜種から採った油は高級なので、庶民は廉価な魚油を使ってました。
yun_5730x魚網に匂いがつく如く、秋刀魚の油では黒い煙と共に匂いが出ます。
匂いが出るから、食べるとなると屋外で七輪などで焼くようになり、十代将軍家治の時代には大衆魚になりました。
漢字で「秋刀魚」と書くのは、形も色も刀に似ているからだそうで、体長は40センチほどにも成長しますが、寿命は1~2年程度。
サンマの鱗は小さいうえに剥がれやすく、漁船から水揚げされる際に殆ど取れてしまうとか。
調理しやすく、「サンマが出るとアンマが引っ込む」というくらいに健康を増進させる食材で、落語「目黒のサンマ」のネタにもなっている秋刀魚は、家治の次の将軍の頃にははや、中流階級以上でも口にするようになりました。

里芋の栄養と効能

おもな栄養成分

タンパク質、カリウム、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、マンナン(食物繊維)
(ぬめり部分)ガラクタン、ムチン

おもな効能

高血圧予防 動脈硬化予防 便秘予防 新陳代謝活性化 (ぬめり部分)
高血圧予防 脳細胞活性化 血糖値抑制 コレステロール値抑制 肝機能強化 胃腸潰瘍予防 老化防止

秋刀魚の栄養と効能

おもな栄養成分

EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、ビタミン12、カルシウム、タンパク質、ビタミンD、ビタミン2

おもな効能

動脈硬化 脳卒中予防 高血圧予防 口内炎・口角炎予防 骨粗鬆症予防 風邪予防 老化防止 痴呆症予防 悪性貧血予防 更年期障害に効果あり