春の七草でも名乗りを上げる、日本古来からある野菜が大根です。

地中海沿岸地方や中央アジアが原産だそうで、日本には中国から、弥生時代に渡来したようです。
「日本書紀」の仁徳天皇の歌に「於朋泥(おほね)」という名で登場しますし、その名は「大きな根」から「おほね」→「おおね」→「大根(だいこん)」と呼ばれるようになったとか。
ちなみに、この「大根」という文字は俗字で、本当はこんなに小難しく「蘿蔔」と書くそうです。
千六本中国風の表記で、ラテン語の大根「Rapha」を、中国では漢字の「蘿蔔(らふく、北京語ではロープ・ローポ)」であてたとか。
また、千切りにした大根料理を「繊蘿蔔(センロフ)」といっていたのが、これがなまって今では、千切りにすることを「千六本」というようになりました。
この大根ですが、とにかく入って来た当時は、まだ形も小さかったし、美味しいものでもなかったようです。
鎌倉時代に生きた日蓮上人が信者の方に送った礼状にも、「大根は大仏堂の大釘のごとし」とあります。
おいおいに、品種改良が進んできたのは、室町の辺りから。
種類も増えて、形も今の大きさになりました。

日蓮生食・煮食のほかにも、神様にもお供えしますし、民間療法として活用されました。

食べ過ぎ飲み過ぎにはもちろん、美容と健康、さらに熱さましや咳止め、頭痛止めなどの薬用にも。
一緒に食べると食あたりを起さないとのことから、「あたらない野菜」として重宝し、またその事から、下手な役者のことを「決して当たらない役者」ということで、大根役者と呼ぶようにもなりました。
なので、蕎麦や豆腐、魚介に添えたのも、毒消しの効果を狙っての事だとか。

京都では、初冬の頃に「大根焚きの行事」があるからだそうですが、これは中風(今でいう脳卒中)除けを願ったものだそうですが、大根の特に、皮の部分に「毛細血管を強くする、ビタミンP」が含まれているので、効果が全くなかったわけでもなかったようです。
日本はもとより、海外でも古くから、野菜としてよりも、薬草としての活躍が大きかったようです。

大根大根は、根の部分は淡色野菜で、葉の部分は緑黄色野菜です。

大根葉がついたままだと、葉が根の水分を吸収してしまうので、買ってきたらまず、葉と根は切り落としてから、別々に保管をした方が良いそうです。
また、葉の部分にも豊富なビタミンやカルシウムなどが含まれていますが、の部分には「ジアスターゼ」という「でんぷん分解酵素」が含まれていて、これが消化を助けてくれます。
また、根にある辛み成分「アリルイソチオシアネート(辛子油)」は、摩り下ろす事で酵素に触れて生成されるのですが、これが抗菌作用はもちろん、抗ガン作用にもなるのだとか。
そして、・・・なんと(!)
江戸の頃はなんと、大根おろし味噌汁の具にもなっていたというから、驚き(!)

味噌の原料の大豆は、戦国の世には軍馬の飼料になっていたので、平和になって、大豆の生産が増えないと味噌が作れず、普及もできなかった・・・という下りは、この『エッセイの第1話』でもご紹介をしました。
その、ようやく味噌が庶民にも普及してきて、わりと普通に味噌汁を食べられるようになってから、その具もとにかく、さまざまに試してみたのだとか★
味噌汁当時はまだ、皿状の陶器の表面に、細かい突起をつけたモノで大根をおろしていたのではないか、との事。
これはもともと、大根ではなくって、その名も「わさびおろし」
発祥は中国らしく、もともとはショウガを摩る為に考案されたのが日本に伝わり、わさびはもとより、大根もおろしていたようです。

また、長ネギについてですが、6世紀の書物に名前が登場するくらいなので、ずいぶん古くから原産地の中国から渡来したようです。

ネギ古称を「キ」といい、女房詞(にょうぼうことば;つまり、宮中で女房職の方が使う一種の隠語的な言葉のこと)では、同じネギ科の植物「ニラ」を「ふたもじ」というのに対し、ネギは「ひともじ」といったとか。

・・・そういえば、九州の方に「ひともじのぐるぐる(写真・右)」なるネギ料理がありますが、この「ひともじ」って、ネギという意味だったんですね。 ( ̄_ ̄ i)
一文字関東が、例えば白根の根深ネギがよく育つのは、これは土壌の、関東ローム層のせいなんだそう。
逆に、関西では青ネギが好まれるそうですが、これは例えば、九条ネギなんかは、洛南の硬い粘土質の土壌なので、ネギはこんな風に、青く育つんだそうで、料理法もそれぞれに応じて違うんだそうです。
ネギが持つ、あの香りは「アリシン」といって、血行を良くして身体を温め、風邪予防はもちろん、血液サラサラ効果も。(゜-゜)
ネギに含まれるイオウの香りは鎮静効果があって、刻んで枕元に置いておくとよく、眠れるんだそうです。
悪玉コレステロールは防いでくれるし、カロリーも低くて、生活習慣病予防には何役も買って出てくれる食材のようです。

さて、テーマを牡蠣に移しましょう。

牡蠣は植物性のプランクトンを食べて育ちますが、5~6月に産卵。
この間だけ雌雄が分かれますが、通常は中性で生活をするのだそうで、産卵期を前にして、ちょっと栄養失調気味なのは雄に。
13.09.30 0066ふっくら、メタボさん(?)は雌になって、卵を産むのだそうです。 (^▽^;)
孵貝した貝は、のんびりと波間を浮遊し、やがて「この辺りでいいか」とばかりに、岩などに定着した生活になります。
以降、全く動かない生活(!)を送るので、筋肉はなくても良いかとばかりに、殆どつきません。 ( ̄ー ̄;)
内臓だけが、ふくふくと育っていきますので、大人になっても、筋肉が1に対して、内臓が9(!)
・・・ちなみに、ハマグリは筋肉が3割、ホタテが5割というくらいなので、もう他貝の追随を許しません。(^_^;)
なんでもまた牡蠣は、元気の源である「グリコーゲン」をとても多く含んでいるのだそうで、これは急激な運動をした時に、筋肉中で利用される物質を指すそうなんです。
一粒で2度美味しい「グリコ」も、その名の由来はこのグリコーゲンから来ていると聞きましたが、これのおかげで、なんと(!)
水がなくて、エラ呼吸ができなくても、ホタテですら2日の処を、10日間も生きられる、とんだ生命力の持ち主なんだそうです。

養殖・・・一生を、定着した岩で暮らしてゆく、牡蠣( ̄ー ̄;)
そんな事なら、養殖だって出来るんじゃないかと、考える人が出て来てもムリはない。

日本では、1532年に養殖法を発明した人が安芸国(つまり、広島県)にあり。
・・・そして、江戸時代に入って、四代将軍・家綱の頃(1670年)にとうとう、小林五郎左衛門さんという人が始めと言われてますが、そのルーツは更に遡ります。 (^_^;)
二代目将軍・秀忠が治めていた1619年、国替(くにがえ)でやって来た浅野長晟さんという人が、産地振興の為に、和歌の浦(つまり、今の和歌山で当時は紀州藩)から牡蠣を移植してきたと史実にあります。
・・・殖えすぎた養殖牡蠣は、舟で運ばれ、大阪では直売していたといいますし、川筋に浮かんだ牡蠣船では、美味しい牡蠣料理を提供していたとか。

これが五代将軍・綱吉の頃、大坂高麗橋詰に立てられていた町奉行所の制札(こうさつ・よく時代劇で、法令なんか板に書いて、立ってますよね)が、大火で焼失しそうになったんだそうです。

危ないというので、牡蠣船を営む安芸国・草津村の河面(かわも)仁左衛門さんと、西道朴さんがとっさに、その燃えかかったお札を牡蠣船に移して難を逃れたそうです。
それで、ご褒美という事なんでしょうが、こちらの牡蠣船なら、大坂のどこの橋本でも自由に営業して構わないという、御触れが出ました。
13.09.30 0261・・・なので草津村の牡蠣船は、淀橋屋をはじめ、戎橋、本町橋などの川筋で商いをし、大変に繁盛をしたということです。 (゜-゜)
移植してきた浅野さんも、ここまで振興に役立つことになろうとは、夢にも思わなかったことでしょう。 ( ̄▽+ ̄*)
夏場の牡蠣は、身も痩せてマズイし、また夏の海は細菌が多くて中毒も起こりやすくなるそうです。
なので、日本には「花見過ぎたらカキ食うな」という言葉があるそうですが、パック売りの牡蠣がスーパーではよく見かけますよね。
「生食用」「加熱用」がありますが、生食用は「生で食べられるように」と、かなり洗ってあるので、相当に風味が落ちてしまっています。
加熱して食べるなら、ぜひ「加熱用」を使うようにと、飯嶋先生のアドバイスです。

大根の栄養と効能

おもな栄養成分

(根)ビタミンC、ジアスターゼ、アミラーゼ、フラボノイド、食物繊維(リグニン)
(葉)ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、カロチン、ナトリウム、リン、鉄

おもな効能

消化不良、胃酸過多、二日酔い、せき、打ち身、頭痛、発熱、のぼせ、歯ぐきの出血、ニキビ、冷え性、がん、動脈硬化、胃潰瘍、胃炎、便秘、美肌効果

長ネギの栄養と効能

おもな栄養成分

(白ネギ)淡色野菜→カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、ビタミンB1、硫化アリル
(青ネギ)緑黄色野菜→カロテン、ビタミンK、ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、ビタミンB1、硫化アリル

おもな効能

風邪 肩こり 老化防止 冷え症 胃弱 安眠 しもやけ 神経痛 リュウマチ

牡蠣の栄養と効能

おもな栄養成分

ビタミンA、ビタミンB12、B2、ビタミンE、タウリン、グリコーゲン、リン、鉄、亜鉛、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム

おもな効能

二日酔い、貧血、冷え性予防、美肌効果、水分代謝向上、滋養強壮、精力増強、高血圧予防、視力回復、精神安定